快楽の刻印
官能の女神たち「モノクロームな肌」 Issue.2―孤独なうさぎ―Yuri Momose_Vol.4−
生々しい色彩のない世界でも、人は"官能"を感じることが出来るのか。
写真家・i-dee氏の新連載『モノクロームな肌』がスタート致します。
美しい肌を写真に表出することに定評があり、ファッション・モードの世界で
多くの撮影を重ねてきたi-dee氏が魅せる、黄昏ゆく世界に降り立った女神たちの物語。
Issue.2のテーマは、「孤独なうさぎ」(4回に分けてお届けします)
嗜虐の快感に目覚めた僕は
幾たびも少女を傷つけ、陵辱した
あるときは甘く冷たい言葉で
またあるときは身体に与える痛みによって
無垢な孤独と淫乱な狂気。
少女は、まるで鏡合わせのように
自分の中にもうひとりの女を
飼いならしている
小さな少女の脚は
なにかに怯えているかのように
いつでも冷たくふるえていた
僕は彼女を解凍しなくてはならない
桃色に揺らめく浴槽に
冷たい軀をゆっくりと沈める
青褪めた肌に血の色が戻ると
僕は彼女を抱きしめた
別れの朝、
澱のように淀んだ僕の孤独は
少女の柔らかな肌に刻印され
彼女の傷跡はすべて僕のものになった
Photography_i-dee
Composition&Text_Mariko Uchiya
Model_Ian Hanasaki
Special Thanks_ Prime Agency