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裸を脱いだ女神は”川上なな実”という稀有な存在へ

『全裸監督 』出演アダルト女優、川上奈々美の第二章がスタート!

アダルト女優にしてストリッパー、そして映画女優。
取材でも通り一遍な受け応えはしてくれないだろうな、とワクワクさせてくれる存在。
川上奈々美は、星の数ほど存在するアダルト女優の中で、ひときわ「はみ出した」輝き方をしている女優だった。
そんな彼女が、活動10周年を機にアダルトを引退してセカンドステージへと向かうという。

撮影/熊谷直子

初めて「川上奈々美」に出会ったのは、とある週刊誌のメディア取材に立ち会ったときのこと。
男性読者が多い週刊誌のアダルト取材ということもあり、話は「好きな男性のタイプやプレイ」「新作の見どころ」などがメイン。

取材では「これを言っておけばファンの男性が喜ぶかな」「女優として売りたいキャラでいうとこの回答かな」という球を打ってくる女優さんも少なくないなか、彼女の回答は何かが違っていた。

全く気難しいわけではないのに、どこか尖っている。まあるい笑顔の向こうになぜか狂気を感じる。

くしゃっとした赤ちゃんのような可愛らしい笑顔と、その幼さに反する哲学的な禅問答のような回答。
話が深すぎて、単なる立会いの私が突っ込んでしまうことも度々あって迷惑をかけた…と思う笑。
当時は、たしかNetflixオリジナル映画『全裸監督 Ⅰ』の公開直後で、彼女が挫折するアダルト女優役で出演していたことから、話題は自然と映画の話にもななったのだけれど、好きな映画が『時計仕掛けのオレンジ』だと言うのを聞いて、なんだか合点がいった気がした。

 

 

その後も彼女とは会う機会があり、食事をしながら『小説を書く構想がある、こんなふうな内容にしたい』、という話を聞く機会があった。
彼女には、「表現したい」、というエネルギーの絶対量が他の多くの人間を圧倒しているんだと思う。
きっと、そのひとつの表現手法がアダルト映像の女優だったのかもしれない。スカウトされた当初は「AVになんて出たくない」なんて思っていたそうだけれど、入れ替わりの激しいこの業界で第一線で張ってこられたのは、その負けん気の強さと、表現の吐き出し口としての魅力をアダルトの世界にも見出せたからだろう。

店を出て、雨の降る中渋谷の街の喧騒に溶け込んでいった彼女は、本当にごく普通の、どこにでもいるようなオシャレな女の子だ。
スラっとした立ち姿にmamekurogouchiのシノワズリ柄ワンピースがよく似合っていた。

そのときふと、『裸にならない表現者としての仕事をする川上奈々美を見てみたいな』と思ったのを覚えている。
綺麗にヘアメイクした姿より、素顔で思いのままの表情をする方が似合うし、鮮明にレタッチされた写真よりも、どこか滲んだような退廃とレトロなノスタルジックさが漂う紙焼きの写真が似合う、とも思った。

素顔のまま、そこに立っているだけで「普通」を踏み外した無垢な危うさを感じさせる女の子はなかなかいない。

 

「川上奈々美」から、アダルト引退のお知らせをもらったのは、今年(2021年)の春のこと。
これまでにも、アダルト女優とは別に様々な映画作品にも出演してきた彼女だけれど、『東京の恋人』『悲しき天使』など映画女優として幅広く活躍しだしたことで、表現者としてのステージを変える決断をしたのだと思う。

いよいよ、”裸を脱ぐ時”が来たのだ。

 

年明けのストリップツアー、ファイナルステージを持ってアダルト業界を引退し、
アダルト女優・ストリッパーの「川上奈々美」から、俳優「川上なな実」へ。

 


夏に上演された浅草ロック座でのストリップツアー。
アダルト映像とはまた違う、ストリッパーとしての川上奈々美の魅力と迫力に度肝を抜かれた。
めちゃくちゃ歌が上手い。圧倒されるほどの声量で、小屋のサイズが足りてない! と感じてしまうほど。
尖った選曲が光る深みのある歌声から聖女のようにやわらかな肢体まで、七変化の魅力を楽しめるショーでした♡

 

女性にとっては、アダルト女優の表現を目にする機会はそう多くないかもしれないけれど、きっとこの先、俳優「川上なな実」をスクリーンや舞台で観る機会が増えるはず。セカンドステージに向け、大きく羽ばたこうとしている「川上なな実」。

彼女の今後の活動に興味を持ってくださる方は、ぜひ、現在支援者募集中のクラウドファンディングにて、温かいご支援を♡

 



♡『AV女優 川上奈々美』第2のステージ応援プロジェクトのお知らせ♡

 

 

現在、写真展開催と写真集、半自伝的小説の出版やドキュメンタリー映画の製作に向け、『AV女優 川上奈々美』第2のステージ応援プロジェクトと題して、クラウドファンディング支援者を募集中。

 

◉1/2〜16予定
渋谷ヒカリエ&BARダイトカイ
写真展「すべて光」開催

◉1/12予定
写真集・半自伝小説の出版

 

クラウドファンディングでは、上記の写真展「すべて光」と、ドキュメンタリー映画「裸を脱いだ私(仮)」の制作費としての支援を募集中。
詳しくは、下記の公式サイトにてご確認を♡

 

KAWAKAMI NANAMI 公式サイト

 

 

 

SEIReN 編集部

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