夜更けのJAZZ喫茶は魅惑の昭和の香り
ーJAZZ&somethin’else 喫茶「映画館」ー
土地勘のない街で偶然に出逢う、レトロな喫茶店っていいですよね。
"地下のJAZZ喫茶”、って、もうそれだけで森田童子の『僕たちの失敗』っていう曲の歌詞が浮かびますね……。浮かびませんかね? 浮かんだ人はきっとドラマ『高校教師』をリアルタイムで観ていた世代に違いありません。
淑女のみなさまこんにちは。
突然ですが、私、とんでもなく喫茶店が大好きなんです。
オシャレなカフェではなく、喫茶店。
しかも古ければ古いほど萌えます。
パンケーキが美味しい流行りのカフェでもなく、シアトル的なコーヒーショップでもなく、ちょっと煙草くさいくらいの茶色い喫茶店がイイのです。
蜘蛛のコの1匹や2匹チョロチョロ顔を覗かせようが、ちょっと煙草の煙が気になろうが、束の間の現実逃避には昭和レトロな喫茶店が一番。
想像してみて下さい。
やたら姿勢のいいおじいちゃんマスターが黙々とお仕事している傍らで、新聞紙ひろげて読んでいる老紳士と、眼鏡をかけた苦学生(っぽく見えるそのへんの大学生)がノートとにらめっこしながら珈琲をすすっている、的な場面。
そんなところでmacをひろげて『wifiありますか?』とか、絶対聞けないですよね。
だからPC開かない=全く別世界に逃避してホントに休憩出来る。
(レトロ喫茶でPC開けちゃうあなたはマチガイなくKY偏差値高めでしょう)
まあ、PC開くか開かないかはどうでもいいのですが、最近ものすごく素敵な喫茶店を見つけたのでぜひご紹介させて下さい。
JAZZ界隈では結構有名なお店らしいので、知っている方も多くいらっしゃるかもしれません。
白山駅のほど近く、やたら目立つ看板が。
その看板の下は階段になっており、そこを降りていくと……。
入り口、緑色のドアが見えてきました。
夜の10時前くらいだったかと思いますが、まだ営業中で店内にはお客さんもいる模様。
そしてその緑のドアを開けると……
はい、こちらが昭和51年創業の老舗ジャズ喫茶、〈JAZZ&somethin’else 喫茶「映画館」〉です。
私がお邪魔した夜はまだ探検から戻っていなかったのですが、可愛い看板猫がいることでも有名だとか。
店内を見渡すと、古い映写機や撮影機材、珍しいカメラなどもいっぱい。
マスターは、若い頃はドキュメンタリー映画の監督をされていたそう。
また、JAZZにもとてもお詳しいようで、店内には素敵なJAZZ音楽が流れ、壁際には『JAZZ批評』がズラリ。
それから、個人的には、このJAZZな空間に突如現れたかのような極彩色な映画ポスターがツボ過ぎました。
『馬頭琴夜想曲』/木村威夫監督。
出演者の中にはなんと、あの鈴木清順監督に加え、山口小夜子様なども。
ポスタービジュアルから、相当昔の作品なのでは、と思いきや、調べてみると2007年の公開ということで、公開から10年ちょっと。
山口小夜子さんの美しさを思うと、そんなに昔の作品ではないことに二度びっくりです。
他にも、トリュフォー監督の『大人はわかってくれない』のポスターが飾ってあったり、古いレコードがたくさん置いてあったり。
和も洋もなく、好きなものがわーっと一同に会している猥雑な雰囲気がまた、無国籍な雰囲気で素敵です。この圧倒的な店内の情報量は、常連さんでも全く飽きないだろうなー、と思う程でした。
この日は取材で蕎麦居酒屋さんに長居し、締めのお蕎麦までしっかり完食してきてからこちらにお邪魔したため、ケーキと珈琲でも、と思っていたのですが……(食べ過ぎ!)
店内の素敵な毒気にすっかりヤラれてしまい、急遽茶色いお酒をロックでお願いすることに。
メニューがレコードジャケット風なのもまた粋です。
23時半まで営業されているうえ、お酒もFOODもご用意いただけそうなので、ちょっと飲み足りないときにもオススメです。
私も、今度はまた昼間にまったりと、お邪魔してみたいなーと思いました♡
【今回の記事に登場したお店】
JAZZ&somethin’else 喫茶「映画館」
東京都文京区白山5−33−19
営業時間/15時〜23時30分
定休日/日曜・祝日