黒い絹の孤独
官能の女神たち「モノクロームな肌」 Issue.2―孤独なうさぎ―Yuri Momose_Vol.3ー
生々しい色彩のない世界でも、人は"官能"を感じることが出来るのか。
写真家・i-dee氏の新連載『モノクロームな肌』がスタート致します。
美しい肌を写真に表出することに定評があり、ファッション・モードの世界で
多くの撮影を重ねてきたi-dee氏が魅せる、黄昏ゆく世界に降り立った女神たちの物語。
Issue.2のテーマは、「孤独なうさぎ」(4回に分けてお届けします)
悪い娘には罰を……
柔らかく、濡れたように光る
黒絹のベルトを手にして
僕らは漆黒の闇のなかに堕ちてゆく
少女が纏っている傷跡のすべてを
僕は脱がせてしまうだろう
すべての深遠なる感覚を
ふたりきりで味わい尽くすように
身体の自由を奪われ
快楽に堕ちた少女は
黒髪を振り乱して
暗く温かい海に溺れていった
仄かに湿気を帯びた白い肌が
僕の体に覆いかぶさる
ふたりの間の柔らかな温もりに
それぞれの孤独を重ねあう
果てしなく続いた
ふたりきりのショータイム
虚ろな目で僕を見つめたまま
少女は革張りのソファに横たわっている
Photography_i-dee
Composition&Text_Mariko Uchiya
Model_Ian Hanasaki
Special Thanks_ Prime Agency