快楽の彼岸にあるもの
官能の女神たち「モノクロームな肌」 Issue.1―囚われの鳥―Ian Hanasaki_Vol.3ー
生々しい色彩のない世界でも、人は"官能"を感じることが出来るのか。
写真家・i-dee氏の新連載『モノクロームな肌』がスタート致します。
美しい肌を写真に表出することに定評があり、ファッション・モードの世界で
多くの撮影を重ねてきたi-dee氏が魅せる、黄昏ゆく世界に降り立った女神たちの物語。
Issue.1のテーマは、「囚われの鳥」。(4回に分けてお届けします)
僕は誘われるように
彼女の前に跪く
繰り返し、繰り返し
小さな鳥はなんども死んだ
水の中に投げ出した肢体は
まるで漁師を誘う妖の水の精
透明なゆらめきに目が眩み
僕はそのたび彼女に吸い寄せられる
激しい躍動のあとに訪れる
虚ろな安らぎ
貪る快楽の合間に
涅槃のような静けさが訪れる
Sacrificeという言葉の持つ
甘美な響きを確かめるように
ゆらめきの中に揺蕩う鳥は
僕の腕に抱かれ何を想うのか
このまま水の中に沈み
深い闇の中に消え入りそうな小さな鳥
この生命は僕だけのもの
彼女の孤独だけが僕を癒す
Photography_i-dee
Composition&Text_Mariko Uchiya
Model_Ian Hanasaki
Special Thanks_ Prime Agency