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オンナの「相談」に解答はいらない!?

相談する気ないのに「相談したい」っていうオンナ

Lilith Edit酩酊担当、高橋美由紀の不定期雑記。
高校球児並みの純朴キャラでチーム内では「少年」ポジションを担う彼女。

最近ハヤりの「自称サバサバ女」とは一線を画す「どストレートで素直な性格」ゆえに、
オンナながらにオンナに翻弄されまくりな彼女の"心のつぶやき"をお届けしてまいります。
第一回めのテーマは、オンナの「相談」。

 

淑女のみなさま、こんばんは。

お初にお目にかかります、リリスエディットの酩酊担当、編集の高橋です。

 

女、おんな、オンナ……。

 

オンナっていう生き物はミステリアスでどうもつかみようがない。

 

かくいうわたし自身も、三十うん年、年季の入った女なんですがね……。

もともとの性格と男性読者向けのスポーツ誌などを制作してきたという男社会な出自が相まって、オンナには翻弄されっぱなしなんですよ。

振り回され度でいうと、おそらく童貞男子並みですね。

 

ということで、このリリス雑記帳では編集高橋が感じた、「オンナってわからない」と思うことを時々書き綴らせていただこうと思います。

 

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ある日、わたしのSNSに学生時代の友人から書き込みがありました。

 

「実は仕事で独立を考えていて……相談にのってもらいたいな」

 

何年振りかな、最後に会ってから3年は経っているはず。そんな友人からの相談依頼。

もしかして悩んでいるのかも。フリーランスになって学んだことも少しはあるから、何かできることがあるならしてあげたいな。

一つ返事でOKして会うことになりました。

 

待ち合わせの日、ひとしきりお互いの近況報告が終わったのを見計らって、切り出しました。

「独立したいんだっけ?」

「うん、そうなの。実は……」

 

彼女は、現職でのスキルを生かした新たなサービスのアイデアを持っていて、それを実現するために独立したいのだと語り出しました。

わたしは彼女の業界に明るくはありませんでしたが、面白いアイデアだなと思いましたし、いろいろと聞いてみると、細かいところまでイメージできているように思えました。

 

「いいじゃない! 挑戦してみたいなら、ぜひやってみるべきだよ」

「でしょ? でも……」

 

すると、彼女は独立に踏み切れない理由があると話し始めたのです。

 

「娘がちょっと難しい性格なのよ。時短で働いているいまでも情緒不安定になることがあるから、これ以上仕事で家を空けるのはよくないかなって思って」

 

なるほど。独立したいけれど、いまは仕事より子どもに時間を割いたほうがいいのではと悩んでいるのか。

 

「そっかぁ、それは悩ましいね。仕事はいつでもできるけど、子どもと向き合えるのはいまだけだから、子育てが落ち着いてから独立してもいいんじゃない? きっと2、3年よ」

 

「そうだよねぇ。でも、いまの会社ではやれる仕事に限界を感じていて、もっと自分の世界を広げていきたい気持ちが強いのよ」

 

「そっか、気持ちわかるよ。独立したい気持ちが強いなら、旦那さんに協力を頼みつつ、無理せず小さい規模からやってみるのもありかも。ママが楽しそうに働いている姿を見れば、娘さんにもいい影響があるよ、きっと」

 

「でも、わたしが住んでいる文京区では専業主婦が一般的だから、他の家庭と比べてうちのママだけいないとなると娘が不憫で」

 

「そっか……。じゃあやっぱりもうちょっと大きくなってから…」

 

「でも、せっかく積んできたわたしのキャリアをステップアップさせるならいまなのよね」

 

「じゃあ、頑張ってみたら?」

 

「でも、大事な時期だから手の込んだごはんとか作ってあげたいし……」

 

 

おぉぉぉぉぉい!!!

 

口を開けばでもでもでもでも、おまいはデモ隊かっ!

 

提案が全部否定されて腹立つわっ!

 

悩んでいるのかと思っていろいろと考えてみたけど、アドバイスなんて必要としてないじゃいか! ってか、そもそも話を聞いて欲しかっただけなのかも。

 

これってあれよね、男女のコミュニケーション問題でときどき言われる

「解決とかいらない。ただ話を聞いて欲しいだけ」

ってやつだな、きっと。

 

「うんうん、そっかぁ。大変だね」

が正解だったんだ。

 

だから、独立には関係ないこととかちょいちょい入れてくるんだな。

そこにさらにイラつかされたけど。

 

間違った。空気間違えて読んじまった。

先輩ヅラしてお悩み解決しようとしてたわたし、恥ずかしい……。

 

でも、そもそも「相談に乗って欲しい」って言われたからその気になったのに。

話聞いて欲しいだけなら「話聞いて欲しいだけなんだけどさぁ」って言ってよぉ。

わたしならそうするもん。

 

っていうか、話聞いて欲しかっただけだとしても、いま目の前にいる話し相手から提案されたんだからちょっと乗ってみるとかしたっていいんじゃないの?

 

あーイライラする。でも、鼻息荒かったわたし自身が恥ずかしい。

モヤモヤモヤモヤ。ぐるぐるぐるぐる。

 

わたしの心の声が伝わったのか、相手もイラついてたのか、

なんとなく変な空気になってしまい、その会合はお開きとなりました。

 

わたしは自分の独立経験を語りたかったのかも、

彼女はいつか独立したい自分を境遇を語りたかっただけなのかも、

会う前からイメージがすれ違ってたんだなぁー。

 

そういえばあの子、

学生のときからなんかハマらないタイプだったんだよなぁ。

と帰り道に思う。

 

オンナの言外の意味を知るにはまだまだ修行が必要です。

 

高橋美由紀

SEIReN編集部 エディター

高橋美由紀

スポーツジャーナル、スポーツを中心としたヒューマンドラマの編集・ライティングを生業としながら、近年は書籍制作に邁進。健康、食、旅、女性をキーワードに、「読者の生活がきらめく実用」がモットー。

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