その女の名は、リリス―
―神話上の”リリス”という女性を考えてみました―
『リリス占星術2018上半期占い/ホロスコさん著』発売に際しまして、
ずっと気になっていた神話上の女性、"リリス"について調べてみました。
アダムの最初の妻であり、夜の女王、悪霊の母。
バビロニアの神話やカバラにも登場し、様々なストーリーで現れる、
凶悪にして魅惑の女―リリス。謎は深まるばかりです……
ともあれ、『すごい思い当たることがある』とのお声も多数頂いております『リリス占星術』。
ぜひ、あなたのリリス星座をチェックして見てください。
淑女のみなさま、こんばんは。
今日はSEIReNでも連載中の『リリス占星術』の名前の由来ともなっている、リリスという女性について書いてみたいと思います。
リリス=アダムの前妻といわれている女。
知っていましたか?
そもそもアダムに前妻がいたなんて!
私は今回『リリス占星術』を出された著者のホロスコさんにそのお話を伺い、始めて知りました。
⇡ジョン・コリア作の『リリス』/画像はWikipediaより
アダムの正妻とされているイブは、アダムの肋骨から生まれますが、リリスはアダムの身体の一部ではなく、最初からひとりの「女」として誕生。
このことから、『世界で最初の女』とも言われています。
アダムとリリスが交わったことで、この世界に数々の悪霊を産み落としたとも、彼女が他の悪魔と続々交わり、不貞の子どもを産み落とした、ともいわれています。
(ユダヤ経典:『タルムード』より)
このあたりのエピソードはなかなか激しくて、その破天荒な恋愛はまさに”離れたくても離れられない”宿命の恋。
ふたりは神によって結ばれますが、リリスは、『アダムと同様に土から生まれてきたのだからその立場は対等だ』と主張し、アダムと度々口論に。
ふたりの住処を飛び出したリリスをアダムが迎えに行っては仲直り。
激しく愛し合うもののまた口論となり、ついにリリスは神の名を叫んで遠い紅海沿岸に移り住み、別居状態となってしまいます。
さんざ浮気され裏切られたはずなのに、どうしても別れたリリスのことが忘れられないアダムは、ついに神様(仲人的な人なの!?)に頼んで天使にリリスを迎えに行ってもらうのですが、そこでなぜか天使たちは『逃げたまま帰ってこないなら毎日100人子どもを殺すよ』と物騒なことを言ってリリスを脅迫。
リリスの方も負けじと『そんなこと言うならこっちも人間の子どもたちを殺す』と応酬。
(面目を潰された神がそう指示し、天使たちは嘆き悲しんだ、という説も……このあたり諸説あります。)
そこからは血で血を洗う修羅の道。
それでもなぜかアダムはリリスを諦められず、イブと結婚したその後も忘れたことはなかったとか。
(中世の文献:『ベン・シラのアルファベット』より)
⇡ルーカス・クラナッハによる『アダムとイブ』。
イブは、蛇にコロッと騙され”知恵の実”を食べさせられちゃうあたり、
とっても素直でピュアなコだったのでは……(写真はWikipediaよりお借りしました)
13世紀のカバラ文献によれば、その後アダムと別れた後は悪霊の君主であるサマエルの妻になったともいわれているリリス。
カバラで有名な〈黄金の夜明け団〉においては、リリスは“夜の女王にして悪霊たちの女王”と呼ばれています。
生命の樹でいうところのクリファ=邪悪の樹(最下位のセフィラト、マルクトのさらに下方に伸びて生命の樹をまるっと逆さまにした構造を持つといいます)として位置づけられているそう。
また、ギルガメシュ叙事詩においては「キスキル・リラ」にあたるのが「リリス」という……なんだかもはや、とっても”エヴァンゲリオン”やら”モンスト”感が溢れる感じになってきましたね(笑)。
⇡紀元前1950年頃の『バーニーの浮彫』。
脚は鳥の鉤爪、両脇にフクロウを抱えたキスキル・リラ。
(写真はWikipediaよりお借りしました)
ともあれ、アダムの一部でも従属物でもなく、対等であったリリス。
ある種、自立した存在であった彼女の名前は、フェミニズムの象徴にもなっているそう。
リリスという名称は、ヘブライ・バビロニア語の「LYL」=夜の女性形容詞を語源とし、「夜の女性」ともいえることから、まさに正妻であり昼の女性であるイブとは対照的な存在です。
あまりに面白い女性なので長々書き連ねてしまいましたが、占星術上のリリスは、惑星の軌道上にある、月の遠地点のこと。
前述のお話はあくまで神話上の「リリス」のエピソードです。
けれど、神話のリリスが象徴する”女性性のなかにある魔的な部分、暗い欲望”というのは、占星術のリリスが象徴するそのものでもあるのがとても面白いと思うのです。
太陽星座が社会的な性質、月星座が生まれながらの本質を占うことが出来るとしたら、リリス星座が教えてくれるのは自分でも気づかないほど心の奥底にある「秘められた欲望」。
見えない月(ブラックムーン)ともいわれ、出生時ホロスコープのリリスの位置から、その人の心の奥底に秘めている欲望、抗えない性癖、陥りがちな恋の罠がわかるのだそう。
これは、自分自身でも自覚していない場合が多いそうなのですが、これまでの恋愛を、ぜひ思い返してみて下さい。
*頭ではわかってるのに同じような「ダメ男」ばかり好きになってしまう
*もうこの人とはやっていけない! と別れても結局またヨリを戻してしまう
*他の人じゃダメ、というくらい愛してるのになぜか激しい喧嘩ばかり
*この人とは付き合えない、とわかっているのに惹かれてしまう
このあたりの恋愛にあてはまる恋をしたことがある人は、自分と相手のリリスを調べてみると、すごく思い当たることがあるかもしれません。
サイト内『リリス占星術』コーナーから、リリス星座はすぐに計算出来るので、ぜひ試してみてくださいね。
そして今回、ちょっと1月が終わってしまったタイミングではありますが、2018年の上半期のリリス占星術の電子書籍が発売されました。
サイトの〈Lilith BOOKS〉コーナーからも、Amazonから直接からも、お買い求めになれますので、ぜひ下記リンクよりチェックしてみてくださいね。
著者は、SEIReN内『リリス占星術』でもおなじみの占星術家・ホロスコさん。穏やかな語り口ながら、ハッとさせられるような核心をついた内容から、これから6月までの「欲望」にかかわるいろいろなヒントが掴めると思います。
自分の中の「リリス」をうまく飼いならしてこそ、大人の恋への第一歩なのかも!?
【電子書籍監修/著者のホロスコさんのSNS情報はこちら】
【監修/著者】
ホロスコさん
監修:ホロスコさん本当の本当を追求していたら西洋占星術と出会い、いけだ笑みに師事して占い師としてのキャリアをスタート。
出会った人はすべて幸せにしてやる気持ちで、現在はライター、個人鑑定をしながら生きてます。
座右の銘は「KEEP ON ROCK’N’ROLL」。
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